◆マリヤ・クリニックニュース12月号「医療・保険・マイナンバーへの疑問」を追加。
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2022.12.01

マリヤ・クリニックニュース12月号

巻頭言

コロナ禍での3回目の師走となりました。確かに、医師も看護師も医療機関に勤める者は大忙しで走り回っています。世界規模では数百兆円という途方もない金額を費やしましたが、人間の対策は殆ど無効で、ウイルス自体の弱毒化が頼りのようです。

 

しかし、今回取り上げたように政府の施策としてきた保健所機能の縮小が対策を混乱させてしまったことや、保険医療の非効率化と高騰、そして医療機関を統率・統制しようとした政策が医療を弱体化させてしまったことなどが明らかになってきました。

 

さらに、デジタル化による効率化として経済界の要請に合わせて作り上げられたマイナンバー制度が、国民の情報集約・管理統制に繋がることを知らせず、たかだか2万円程度で自らの個人情報利用を許してしまうように仕組まれています。実は、アメリカを含めた世界でも、このような個人情報の政府管理は進んでいるのですが、日本の場合、それが秘密裏にされており、それでいて、技術が遅れていて故障や漏洩が安易なのです。

 

そのマイナンバー制度の一環としてのマイナポータルでは、電子カルテで日本中の医療機関の電子カルテ情報を統括しようと図っています。しかし、今、日本中で医療機関へのサイバー攻撃が起こっており、診療が長期に亘ってできなくなると共に、数億円の被害が報告されています。それを無視して電子カルテを含めた医療情報システムを統合したら、日本中の診療が長期に亘って侵害されるだけでなく、個人の医療情報が操作され、診療が滞り、犯罪に利用されることが予想されます。そして、既にそのシステムの稚拙さによって事故が何件も報告されています。

 

後期高齢者医療制度という諸外国にない、高齢者だけを対象にした保険医療は、自己負担を増やし保険支出助成を減らすための不遜な施策です。これらは国民、特に高齢者をやり玉にした福利厚生の質を下げる政策ですが、なんと30年前から検討・実施されてきているのです。給与・収入水準も20年以上伸びていないということですから、日本はどうなってしまうのでしょうか。

 

貧しさの中で汗水垂らして働き、歳をとってやっと確立した平穏な生活が脅かされようとしています。心配なのは、苦労や貧しさを知らない若い世代です。学校の成績で良い仕事を確保できる時代は終わろうとしています。殺伐とした混乱時代、善良さが被害に繋がるのです。

 

事務長 柏崎久雄

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