◆マリヤ・クリニックニュース4月号「子供たちの成長と栄養」を追加。
HOME | お知らせ | ◆マリヤ・クリニックニュース4月号「子供たちの成長と栄養」を追加。

2022.04.01

マリヤ・クリニックニュース4月号

巻頭言

桜の開花と共に入園・入学・入社、そして進級の季節となりました。子供たちはスマホを欲しがるかもしれませんね。現代社会ではスマホは暮らしていくための必須なアイテムになっています。ウクライナの情勢を知らせるためにスマホを使ったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が役立って、これまでの悪評を覆しました。SNSの代表的なものには、ライン、フェイスブック、インスタグラムなどがありますが、個人間のコミュニケーション手段として用いられています。

 

私は教会員向けにスマホ講座を持っています。講座をしてみてわかったことは、スマホの使い方やセキュリティーなどをあまりわからずにラインや検索をしている人が多いということです。スマホさえあれば、近くの店の検索、ポイント利用や割引、決済、チケット、連絡、撮影、ニュースや読書、時間管理、健康管理、趣味、ゲームなど何でもできます。このようなことをスマホ・リテラシーと言い、リテラシーとは「適切にそれを理解し、整理し、活用する能力」を意味します。リテラシーのギャップが生活の便利さに大きく影響するようになりました。

 

ところが、スマホ漬けになっている若者、子供たちが多くなっていることが心配です。医師会が推薦する「スマホが学力を破壊する」という本を読みました。スマホ利用が1時間未満の生徒は成績が良いけれど、使用時間が増えるほど成績が悪くなるようです。そして、自宅学習時間が減るというよりも、脳に害を与えているのではないかと報告されています。夜遅くまでスマホを操作して睡眠時間が減りレム睡眠が取れなくなって、大脳辺縁系の海馬が小さくなっているのではないかと推測されています。浅い眠りのレム睡眠中に記憶が脳に固定され、海馬は記憶や学習に関する機能を担っています。また、ラインなどのSNSを勉強中や授業中にも使っている子が数多くいて学習に支障をきたしているようです。これは連絡をしない不安感が学習への集中を妨げているのです。SNSを全くしない子と4時間以上する子の偏差値は10以上違っていると報告されています。

 

人間の脳は一つのことに集中するようにできており、集中を妨げる情報は抑制します。ところが、勉強中にゲームをしたり、動画を視聴したり、ラインをしている生徒がかなりいることがわかりました。その子たちは、家庭学習をしていない子よりも成績が低く、脳の前頭前野や認知制御力に抑制がみられるそうです。スマホを器用に使いこなしている子に感心してばかりはいられないようです。

 

事務長 柏崎久雄

マリヤ・クリニックニュース | バックナンバー

毎月1日にニュースを発行しています。

マリヤ・クリニックならではの視点で、健康・医療の情報発信を行っております。

皆様の心と身体の健康にお役立ていただければ幸いです。

 

バックナンバーはこちらから(2009年~)