2025.02.01
◆マリヤ・クリニックニュース2月号
「認知症とその予防方法」を追加。
2月は一年で一番寒い季節です。生まれ故郷の群馬県前橋市を思い出します。からっ風が吹き荒れ、小学校の2階の校舎より高く砂埃が舞い、北に向かって歩くと強い風で息ができないので顔をそむけ、下を向いて歩きました。マフラーなんてしゃれた物はないので手拭いで口を覆ったりもしました。隙間からは寒風が吹き込むのでこたつに籠りました。群馬で行うニューイヤー駅伝のコースはよく自転車で走ったものです。昔に比べて風が穏やかになった気がします。
気候とはそういうものだと思い過ごしていましたが、大学が横浜で穏やかな気候に驚きました。私の喘息様の咳は出なくなりました。千葉市に来て43年。温暖な気候は、風習や人の性格・気質にも影響を与えるようです。千葉市も昔は独自の経済圏でしたが、最近は東京通勤圏になり、電車はいつも満員で忙しく都市生活を過ごしています。
70歳を過ぎると大学の同窓生とは疎遠となり、郷里の同窓生との交流が戻ってきます。彼らは卒業後に郷里に戻り、地域社会に貢献し風土を味わっています。郷里の甥や姪を見ていると、地域社会に溶け込んで暮らしているようです。
都市化された所での生活を見ていると、人の結びつきが少なくなり、娯楽は施設などでのお金の掛かるものとなり、生活や生き方に余裕の無いものになっているような気がします。
災害対策の備えをしていますが、このような都会で災害が起こったら、どのように助け合うのかと危惧します。私は何度も災害救援に行ってきましたが、災害時には近くの人同士の助け合いが必須です。残念ながら、協力し合うこと、助け合うことに慣れていない人は、災害時にはかなり無力です。また、リーダーがいないと何もできないものです。家族でさえ、助け合うことをしていないこともあります。
長い目で見ると、能力・地位・富など都市生活で重視されるもので幸せ度を確認できないように思われます。助けを受けることも慣れていないと出来ない人が多いことに気が付きました。孤立して生きてきた人は介護を受ける余裕もなく、自分の要求や都合を繰り返してしまいます。人に迷惑を掛けないとか、立派に生きるとか、そういうことが老後には却ってかせになるようです。いつも、「ありがとう!」と言える人でありたいですね。
事務長 柏崎久雄