発達障害と腸内環境
当院では、「発達障害」と「腸内環境」が深くかかわっていることに注目しています。
腸が悪い → 脳に悪影響
このつながりについて、あまりピンとこない方が多いかもしれません。
ただし、当院で発達障害治療を進めるためには、発達障害と腸内環境がどのようにかかわっているかを理解していただくことが、とても重要であると考えています。
腸内環境が悪いと、なぜ脳の成長と発達に悪影響を与えるのでしょうか。一緒に学んでゆきましょう。
マリヤ・クリニックの発達障害治療は、医師と管理栄養士がご両親からしっかりお話しを伺い、お子さんの個体差を把握して個別のアドバイスを行います。
腸内環境の
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腸内環境とは、お腹に住む「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスのことを言います。
善玉菌 = 良い細菌
消化を助けて免疫力を上げるなどの役割
悪玉菌 = 悪い細菌
きちんと消化できなかった食べ物を腐敗させ、有害物質を生みだす。有害物質が腸壁から吸収されると、身体への様々な悪影響がある。
理想的な腸内環境は・・・
善玉菌:悪玉菌=2:1
これよりも悪玉菌が多くなると「腸内環境が悪い」と言われる状態です。
腸内環境が悪いと、カビ(カンジダ菌など)が増殖して、神経伝達物質のバランスを乱します。
神経伝達物質とは、脳の機能である、心と感情のコントロールに深く関与している物質のことです。
神経伝達物質は、興奮系(ドーパミン、アドレナリンなど)と抑制系(GABA)に分類され、これを調節するのがセロトニンです。
腸内環境が悪くなるとカビ(カンジダ菌など)が増えやすくなります。カンジダ菌は常在菌といってヒトと共生している菌なので、カンジダ菌が腸に住んでいること自体は悪いことではありません。ただし、増えすぎたカンジダ菌は悪玉菌のように身体への様々な悪影響を与えます。
また、カンジダ菌が増えると脳が興奮しやすくなります。当院では、それが発達に悪影響を及ぼすと考えています。カンジダ菌が脳を興奮させるしくみは複数考えられております。
カンジダ菌が脳を興奮させるしくみ
▼ カンジダ菌が脳を興奮させるしくみ 1▼
カンジダ菌はアラビノースという物質を生み出します。アラビノースは糖類に分類され、一部がブドウ糖に変わると考えられています。
そのため、カンジダ菌が増えた状態は血糖値が不安定になり機能性低血糖症の症状の一つである、心と感情のコントロールを不安定にさせる状態になりやすくなるのです。
▼ カンジダ菌が脳を興奮させるしくみ 2▼
カンジダ菌はエネルギー産生を妨害します。
身体に必要なエネルギーの多くは細胞のミトコンドリアで作られます。このエネルギー産生のしくみをTCAサイクル(クレブス回路)と呼びます。
カンジダ菌が作り出すTCAサイクルに必要な物質の類似物質が、エネルギー産生を邪魔する原因になると考えられています。
TCAサイクルの乱れも機能性低血糖症を引き起こし、不安定な精神状態を作り出してしまいます。
▼ カンジダ菌が脳を興奮させるしくみ 3 ▼
カンジダ菌は腸に菌糸を張って根付きます。そうすると腸壁が荒れてしまい、リーキーガット(腸漏出症候群)を引き起こします。
荒れた腸からは、本当は吸収してはいけない大きさの成分が通過してしまい、アレルギーの原因となります。また、乳製品(乳ペプチド)や小麦製品(小麦ペプチド)による脳の混乱を引き起こす原因にもなります。
▼ カンジダ菌が脳を興奮させるしくみ 4 ▼
腸内環境が悪化すると、腸に炎症性サイトカイン(インターロイキンなど)が増えやすくなります。腸の炎症と脳の炎症は深く関与しているという研究も進んでいます。
発達障害と腸内環境はゆっくりと改善させる
脳のためには腸内環境の改善が重要ですが、
腸内環境はすぐには変わりません
理想は安定した胃腸の状態を保つことですが、胃腸の調子を安定させることは一筋縄ではいきません。自律神経、アレルギー、ホルモンバランスなど、様々なことが胃腸に影響を与えます。腸内細菌も善玉菌と悪玉菌が日々せめぎ合っています。そのため、根本改善には半年以上、場合によっては年単位の時間が必要になることもあります。
腸内環境だけではなく、発達障害の症状自体の改善にも根気と時間が必要です。
子どもの脳は6歳ごろまでに90%が形成されます。この大切な時期に必要な栄養素を補い、脳に過剰な刺激を与える食品を控えることで脳は発達を遂げることができます。
いま脳に届いていない栄養素を至適量届けることができれば、思いもよらない大きな変化を起こすことが期待できます。
マリヤ・クリニックの発達障害治療は、医師と管理栄養士がご両親からしっかりお話しを伺い、お子さんの個体差を把握して個別のアドバイスを行います。発達障害の根本改善を願う全ての方を、私たちは応援します。
当院で発達障害の治療をご希望の方はこちらをご覧ください

・ビタミンA:レバーや緑黄色野菜に多く含まれます。
・亜鉛:牡蠣4つで8.7mg。治療では1日15mg以上のサプリメントを処方します。