ヘム鉄
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ヘム鉄

赤血球のヘモグロビンの材料

人に不可欠な栄養素の1 つである鉄は、不足すると貧血になることが知られています。鉄は、タンパク質とともに赤血球の中のへモグロビンを構成しています。
鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄(無機鉄)の2 種類があり、それぞれに吸収率が約23 ~ 28%、約2 ~ 5%と大きな違いがあります。ヘム鉄が小腸でそのまま吸収されるのに対して、非ヘム鉄はまず胃で水に溶けやすい形に変えられ、さらに小腸でも吸収されやすい形に変えられる必要があるためです。またヘム鉄には、吸収を妨げる他の物質の影響を受けにくいという特徴もあります。

はたらき

ヘモグロビンとして全身に酸素を送る

赤血球のヘモグロビンは酸素を全身の組織に送りこみ、不要な二酸化炭素を排出するという大変重要なはたらきをしています。また、TCAサイクルでのエネルギー産生に必須です。含鉄酵素としてのはたらきもしています。

不足すると

いわゆる酸素不足の状態に

鉄が十分にないと、いわゆる酸素不足の状態となり、エネルギーが産生されず、疲れやすかったり、頭が十分にはたらかなかったりというようなさまざまな不快症状に悩まされます。しかし、残念なことに現代人の多くは鉄が不足していますので、意識して鉄を摂取する必要があります( 注1)。

摂り方

ヘム鉄が基本 ビタミンC も一緒に摂るとよい

鉄を摂るにはヘム鉄を摂ることが大切です。ビタミンC はヘム鉄、非ヘム鉄の両方に作用して、吸収されやすい形へと変化させます。ビタミンC の多い野菜や果物などと一緒に摂ると効果的です。

 

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吸収しやすい形態であるヘム鉄は動物性食品に多く含まれています。植物性の食品の中では比較的大豆に多く含まれています。ビタミンCと一緒に摂ると植物性の鉄も吸収しやすくなります。

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注釈

注1
特に、若い女性では鉄分のほかカルシウム、タンパク質、ビタミンC、葉酸などが不足しやすい傾向にあります。