ビタミンC
HOME | 栄養医学を支える栄養素 | ビタミンC

ビタミンC

食品中の含有量は激減中

哺乳類の中でビタミンC を生合成できないのは、人間とサルとモルモットだけです。ビタミンC は、心身に重要なはたらきをもつ栄養素です。現代のようなストレス社会、高齢化社会に生きる私たちにとって、より大量の摂取が必要であることが認知されつつあります。
現代社会では、食品中のビタミンC の含有量は著しく低下しています。例えば食品成分表三訂(1963年)から七訂(2015 年)への変化をみると、食品100g あたり、ほうれん草100mg → 35mg、ピーマン100mg → 76mg、キャべツ50mg → 41mg と大幅に減っていることがわかります。また、調理中にも損失しやすいので注意する必要があります。食品からだけでは、大量に摂取することは難しいので、サプリメントでの摂取をぜひお勧めしたい栄養素の代表です。

はたらき

免疫を高め、ストレスと闘う

ビタミンC は抗酸化作用やインターフェロン( 注1)産出の強化、白血球の活性化などの作用によって身体の免疫機能を高めるはたらきがあります。がん患者がビタミンC を摂取すると、延命効果が出るのは明らかになっており、それは量が多いほど顕著な効果が示されました。そのほか、ビタミンC には次のような幅広い作用があります。

コラーゲンの生成・維持

身体の組織と器官を支え、保持するはたらきをするコラーゲンを作り、維持する。この際、タンパク質、鉄も必要。

免疫力を高める

タンパク質、ビタミンB 群とともに摂ることで病原菌に対する抗体を作り、感染に抵抗する力を増大させる。

抗アレルギー作用( ヒスタミンの抑制)

ビタミンC の投与により、副腎よりステロイドホルモンが生成され、ヒスタミン遊離も抑制される。さまざまな炎症反応抑制効果もある。

抗酸化作用

活性酸素の除去に寄与。活性酸素の悪影響に対抗するには、ビタミンC は、カロテノイド、ビタミンB2、ビタミンE などと一緒に摂取すると効果がある。動脈硬化予防にも役立つ。

ストレスに対抗するホルモンの生成

ビタミンC は副腎のホルモンの分泌を促し( 注2)、ストレスに対して積極的に対抗するのを助ける。

酵素のはたらきを助ける

肝臓内での酵素のはたらきを活性化し身体に害を及ぼす異物(汚染物質、添加物)の解毒を助ける( 注3)。

鉄の吸収を助ける

鉄の10 倍のビタミンC を服用すると、吸収率が約6 倍になったというデータがある。

カルニチン代謝を促進する

人が活動するためのエネルギーを脂肪酸から作る際に、アシルカルニチンが必要。アシルカルニチンの元となるカルニチンの生合成、はたらきにビタミンC が必要。

高コレステロール血症を抑制する

ビタミンC は、過剰のコレステロールを胆汁酸に変えて体外へ排出する作用がある( 注4)。

不足すると

老化が進行し、免疫力が低下する

現代人は非常に多くのストレスにさらされているので、体内ではビタミンC が大量に消費されています。不足によって、以下の症状が起こります。

皮膚や骨などの老化が進行

水分保持作用のあるコラーゲンが不足し、しわ、傷が治りにくい、毛細血管が破れやすい、骨がもろくなる、関節の痛み、床ずれなどの諸症状が起こる。

感染症にかかりやすくなる

免疫力が低下し、風邪、膀胱炎にかかりやすくなる。

ストレスに弱くなる

不安、倦怠、うつ状態を招きやすくなる。

化学物質過敏症のリスクが高まる

さまざまな化学物質にさらされている現代の環境下では解毒作用が低下し、その悪影響を受けやすくなる。

鉄欠乏性貧血になりやすい

鉄が吸収されにくくなる。

上記のほか、アレルギー症状が出やすくなる、慢性疲労、肥満、脂質異常症、動脈硬化のリスクが高くなる、などの症状が起こることもあります。

摂り方

水溶性ビタミンなので回数を分けて摂取する

ビタミンCは、一般的に1日1,000mg ~3,000mgを何回かに分けて摂取すると効果的です。

風邪のひき始めにはビタミンC1,000mg を1 時間毎に何回か摂ると効果があります。肥満、脂質異常症では、ビタミンC を3,000mg /日以上摂るようにします。精神的な面での改善を目指すなら、最初は5,000mg/日以上を摂取して、症状の改善に応じて3,000mg/日くらいまで徐々に量を減らす方法があります。がん予防には3,000mg /日、がん治療には6,000mg/日以上が必要と思われます。
喫煙はビタミンC を消耗する( 注5) ので、喫煙者はビタミンC を補う必要があります。

ビタミンC は大量に摂っても特に副作用はありませんが、多少下痢を起こす場合があり、下痢がビタミンC 過剰摂取による唯一の副作用といえます( 注6)。逆に便秘症には役立ちます。

ビタミンC 摂取が有効な症状

•風邪(ビタミンB 群、プロテインを一緒に)
•うつ症状
•アレルギー
•貧血
•膠原病( 注7)
•動脈硬化
•脂質異常症
•糖尿病
•やけど
•皮膚炎

自然・アレルギー対応食品ヨーゼフ
ご説明のために関連会社のサイトに移動します

おビタミンCは必要量の個人差がとても大きい栄養素です。ストレスが多く副腎に負担がかかっている方はこまめな補給が必要です。

ご説明のために関連会社のサイトに移動します
ビタミンC_23

注釈

注1
タンパク質の1 つであり、サイトカインの1 つ。病原体などの異物の侵入に対して、細胞が分泌し、病原体などの増殖を防ぐ。

注2
体内で、特に副腎、脳下垂体、水晶体、脳、肝臓、白血球では、ビタミンC の濃度が非常に高い。

注3
例えば、食品添加物の硝酸塩が体内で発がん物質ニトロソアミンに変化するのを抑制する。

注4
ビタミンC が欠乏すると、胆汁の生成が抑制される。

注5
1 本のたばこで100mg 前後のビタミンC が消費されるため、喫煙者ではビタミンC は不足がちとなる。

注6
ビタミンC 大量摂取時にまれに腎結石が起こることがあり、その発症防止のためにはマグネシウムとビタミンB6 を同時に摂ると良い。

注7
膠原病で組織に障害をもたらす原因となるヒアルロンダーゼの産生を抑える。