ビタミンB2
細胞レベルでのエネルギー獲得、物質代謝、薬物代謝に関与します。動脈硬化の抑制や、脳の活性化、皮膚、粘膜の代謝の活性化、成長ホルモンの生合成に深く関与しています。トリプトファン( 注1) からナイアシンを合成するはたらきや副腎皮質ホルモンの生成にも関与しています。
はたらき
呼吸器粘膜を正常化するので、呼吸器系の疾患の治療には不可欠です。目や皮膚にも必要です。
抗酸化作用もあります。
不足すると
ビタミンB2 は動物性タンパク質や醸造酵母に多く含まれます。次のようなケースで欠乏しがちです。
• 野菜を主な食物とする(菜食主義)。
• B 群の摂取不足と吸収不良による。
• 抗生物質(ストレプトマイシン等)、精神安定剤、ステロイドホルモンの多用。
• 過酸化脂質が多く含まれる食物( 注4)の摂取。
• 妊娠、授乳期、ストレス、糖尿病、下垂体疾患など。
その結果、次のような症状が現れることがあります。
• 角膜のまわりに血管の新生、角膜内への浸入が見られ、涙目になったり、まぶしがったりする。B2 欠乏の大きな特徴の1 つに光線過敏症がある。
• 口の中に灼熱感と疼痛があり、舌の表面のざらざらが消失する。
• 皮膚は脂ぎるが、鼻、口、額、耳のまわりでは表皮が剥げ落ち、口角炎など口唇や口角に赤いぶつぶつができる。
• 体毛脱毛、眉毛の消失、禿頭など。
摂り方
アルコールには脂肪分解を妨げるはたらきがあるため、アルコール摂取時にはB2 の必要量は増えます。脂肪の多い食事をしたときにも必要量が増えます。B2 とB6 は同量摂るのが望ましいとされています。なぜなら、ビタミンB 群はそれぞれに相互作用があり、特にビタミンB2 欠乏は、ビタミンB6 の活性型であるピリドキサールリン酸の組織内レベルの低下や葉酸の再生の低下をもたらすからです。また、ビタミンB2 やB6 に限らず、ビタミンB1、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6 は同量摂ることが望ましいとされています。
• 子どもの成長が遅い、体重増加しない
• 肛門のかゆみ、膣のかゆみ(特に小児の肛門周囲皮膚炎)
• 口内炎、口角炎、腸炎、くちびるの水泡(ビタミンA と一緒に)
• 太陽がまぶしい、充血、かゆみ(ビタミンA、ビタミンC と一緒に)
• 抗生物質服用時(症状が出たとき)
• しみ(ビタミンC、ビタミンE と一緒に)
• 脂肪が消化吸収できない
• フケがひどいとき(ビタミンA と一緒に)
• 向精神薬服用時• 脂漏性皮膚炎(ビタミンB6 と一緒に)
※ビタミンB2 は予防段階で50mg、治療段階で100 ~ 200mg 摂取すると効果的です。
ビタミンB2は動物性食品に多く含まれる成分ですが、実はのりにはビタミンB2がたっぷり。エネルギー代謝に関わるビタミンなので、ごはんとの組合せで元気もりもり!
注釈
必須アミノ酸の1つ。セロトニンやメラトニンを体内で合成するために必要な物質。
注2
ビタミンE との併用でより有用。
注3
呼吸器粘膜を正常化する。
注4
干物、かりん糖、インスタントラーメン、油で揚げたスナック菓子などには過酸化脂質が多く含まれるため、注意が必要。