血糖値の変動とその影響
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血糖値の変動とその影響

低血糖症とは、血糖値の調整能力が極端に低下する病気です。血糖値の急激な上昇や低下はホルモンの分泌異常をもたらして身体や脳の健全なはたらきを損ないます。特に脳は低血糖により大きなダメージを受けてしまいます。それにホルモンの異常分泌が重なり、多様な精神神経症状が引き起こされるのです。

低血糖症は現代病の典型であり、栄養医学以外の治療法はありません。栄養医学では、低血糖症にいたるまでの代謝の異常を矯正し、血糖値の調整が円滑になされるように、サプリメントの利用と合わせて食事、運動、気の持ち方などを指導します。

いま身体に必要な栄養素が、必要な量で適切なタイミングの摂取ができるかがポイントになります。医師のサプリメント処方による体質改善と、低血糖が起こらない生活習慣を身につけ、根本改善を目指します。

筋肉など身体の細胞のほとんどは、ブドウ糖・脂肪酸・アミノ酸など各種の物質をエネルギー源として用います。これに対して脳が用いることのできる栄養は主にブドウ糖で、身体全体の血糖の20~30%を消費します。そのため、脳にとって低血糖状態になることは大変なダメージです。

低血糖症と糖尿病はどちらも血糖の調節異常をきたした病気

糖尿病は、血糖値が高いままでとどまる病気です。糖尿病と低血糖症は血糖調整の異常という面では同じ範疇に入るのですが、糖尿病では自覚症状はあまり出ません。

それに対し、低血糖症は自覚症状が出やすいです。

低血糖症:

精神・神経・身体症状が現れやすい

低血糖症はOGTT (経口ブドウ糖負荷試験) で下記のような曲線を描くことが多いです。

血糖値の変動とその影響_8

低血糖曲線を呈しても、それを調節する十分な体力があれば、身体に支障をきたす症状がでないこともあります。低血糖症の症状の出方は人により異なり、身体的な症状や精神的な症状が多様に複合して表れます。

青少年期から低血糖症の患者は、低血糖の異常状態に慣れていて、それを通常の状態であると誤認していることもあります。低血糖症がもたらす他の症状の治療のために来院し、検査の結果、低血糖症であることがわかり、治療した後、体質も性格も変わり、自分の健康状態、正常な状態を知って驚くことも多くあります。

ここで取り上げる低血糖症とは、あくまで機能性低血糖症についてです。インスリノーマや糖原病、下垂体・副腎・甲状腺の機能不全、糖尿病薬の副作用などによる疾患とは異なり、すい臓の機能失調が主因でおこる疾患で治療により管理可能です。