◆マリヤ・クリニックニュース7月号「新型コロナウイルスの概観」を追加。
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2020.07.01

◆マリヤ・クリニックニュース7月号

巻頭言

新型コロナウイルスについてまとめてみました。コロナウイルス自体は、普通の風邪の主要な原因でもありますが、悪質なものに変容したのがSARS、MERS、そして、今回の新型です。人によっては感染しても、その人の持つ免疫力で治ってしまい、他の人へ感染させることもないという場合もあります。ところが、高齢者や基礎疾患等を有する者においては重篤になる可能性があるという点が厄介なところです。

 

結核予防のBCGを接種した人が新型コロナウイルスにかかりにくいことについて、日本ワクチン学会と小児科学会はワクチン不足を恐れて懐疑的ですが、ノーベル受賞者の山中伸弥先生や、宮川剛先生の論文や研究では、相関性があることが示唆されてきました。感染者が多いのは、BCG接種を止めた国々です。定期予防接種をしていても新型コロナウイルスの感染者が多い国もあるのですが、実際には接種していない人が多い国もあるようです。ニュージーランドは接種停止しているのですが、完全な防疫政策の成果でしょう。

 

BCGは、日本では幼児期、小学生、中学生の時に接種していたので、感染予防効果が長期に及び、それが新型コロナウイルスの小児罹患率の異常な低さと高齢者の罹患率の高さの原因ではないかと推定する研究者が多くおります。2005年の改正により生後1年未満で一回の接種になったことが今後の免疫にどのように影響するでしょうか。BCGは免疫機能全般を高める効果が認められており、膀胱がんの標準治療としてBCGの頻回接種があります。

 

スウェーデンの集団免疫対策が失敗したのは、個々の免疫力が弱かったからでしょう。スウェーデンはBCGを最も早く接種停止している国です。自然の免疫力だけでは対応できない感染症が歴史上多くの人々を病死させ、強い免疫力をもった人々が生き残ってきたのですが、現代日本の除菌ブームがコロナ災害を通して更に徹底され、免疫力の鍛えられていない人々を生み出すことも、抗生物質の多用と共に危惧しています。

 

新型コロナウイルスは弱者を攻撃する卑怯なものですが、現実世界は弱者が虐められる怖い社会です。合理性は人間の思惑の中でだけ通用します。自粛生活が続き、体調を乱しておられる方が多くおります。我慢や忍耐ばかりでは対応できません。無理をせず、息抜きや生き甲斐となるものを見つけ出してください。病弱の時は、近くの人が頼りです。家族仲良く、優しい言葉を掛け合いましょうね。

 

事務長 柏崎久雄

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