◆マリヤ・クリニックニュース6月号「低身長の要因と子ども栄養について」を追加。pdf
HOME | お知らせ | ◆マリヤ・クリニックニュース6月号「低身長の要因と子ども栄養について」を追加。pdf

2018.06.01

マリヤ・クリニックニュース6月号

巻頭言

スポーツ界でパワーハラスメントが続発しています。それらを考察していると、身近なところでも起こりうると思われます。しかし、実際は新聞やテレビを見て、あれはひどい、などと話のタネにしているだけのようです。当院でも、防災訓練と共にハラスメントの研修をしました。

 

よく考えると、つい20年も前では日本中でハラスメントだらけでした。テレビでも笑いを取る為に、セクハラやパワハラをしていました。私は団塊の世代のすぐ下なので、社会の変わり様を感じてきましたが、人が多く、貧しくて、競争が激しいと何でもありで、勝ち抜きが重視されていたようです。

 

バブルの崩壊の頃から、社会が変わってきました。日本は変わらず豊かでしたが、競争というと何か宙に浮くような、繁栄の下での空虚さが感じられ、何を目標にして良いかわからない社会になりました。

 

これまでの慣習や道徳などよりも知識や情報が重視されるようになり、ITによる合理化が定着してきたのはスマホによります。つまり、世代による価値観が全く変わり、合理的思考や水平思考が浸透してきました。

 

能力や障害、そして価値や優劣の基準も、世代間、地域性、個人によって変わってくるようになったのです。それは親子の関係についても言えます。私には、その違いがハラスメントとして現れてきているような気がします。つまり、加害者には、全く加害意識がないのです。

 

海外を旅行しますと、価値観や文化の違いを強く感じます。自国の価値観と常識を海外に行っても変えない人々への違和感は、彼ら自らが意識しないからこそ滑稽であり、不快でもあります。それはマナーとして、誰にも要求されることですが、人に配慮するということを教える文化は、長い年月を経て形成されるものかもしれません。

 

搾取や特権が横行する社会は、誰にとっても不自由なものですが、それらを享受する人々が、自らの浅はかさを悟ることは、それがペナルティーを受けた時です。最近は、それらが実現して大衆の喝さいを受けています。

 

人を思い通りに動かすということは、親でも、上司でも、偉い人でも、認められないことであることがわかってきたことは、日本もまた文化的になってきている証拠かと思います。

 

私は、キリスト教の牧師でもありますが、信者が規範とするのは牧師ではなく、聖書であり、「指導者は仕える者のようになりなさい。」という教えは、自らの愚かさと危うさへの警告として常に意識しております。神の祝福と慰めがありますように。

 

事務長 柏崎久雄

マリヤ・クリニックニュース | バックナンバー

毎月1日にニュースを発行しています。

マリヤ・クリニックならではの視点で、健康・医療の情報発信を行っております。

皆様の心と身体の健康にお役立ていただければ幸いです。

 

バックナンバーはこちらから(2009年~)