◆マリヤ・クリニックニュース12月号「風邪などの感染症と免疫力」を追加。
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2019.12.02

マリヤ・クリニックニュース12月号

巻頭言

東京ドームの教皇ミサに招かれました。開始は4時からですが、1時半に入ると中は既に5万人が満員でした。整然としている中でも教皇が来られるという興奮と熱気を感じました。教皇はオープンカーに立って球場の中を回られ、抱え上げられる子供たちを抱き留めて祝福のキスをすると会場からワ―と歓声が上がります。そのメッセージは心のこもった人格的ないたわりと、正義と誠実さに立ったもので、出会った人々の状況や会話を引用した分かり易いものでした。

 

教皇は、日本について勤勉で能力のある国民と褒めながらも、利益と効率を追求する過度の競争や消費が崩壊をもたらすと警告され、マタイ福音書6章から、金銭に仕えてはならない、思い悩まないで助け合い、自分の存在の意義を見出そう、と語りました。上智の学生には、誠実であれ、と語ったことも印象深く、出会われた日本の政治家との対比を感じました。

 

皆が自己利益を優先し、自分の都合で生きる時代、それを覚悟して、神に仕え、人に仕えて生きることを志したものの、尽くしたものが報われぬことが続くと挫折を覚え、寂しさを覚えるものです。宗教は、そのような時に、神の愛や憐れみをもって人々を励まし慰めます。ところが、そのような宗教者をも食い物にする社会や偽善者もいるものです。

 

ロシアとウズベキスタンのソ連下における宗教迫害を調査してきました。立派な塀に囲まれた総主教庁は少年院にされ、その聖堂はなんとトイレにされていました。ハリストス大聖堂は爆破されて市民プールにされて70年間、ソ連崩壊後に信者の願いによって再建されました。総主教庁も同様です。トイレにされていた聖堂で、掲示板の写真を撮って良いかとガイドの老婦人に問うと、聖なる所でカメラはなりません、と諫められました。このような敬虔な信者たちの迫害下における嘆きは如何ばかりだったことでしょう。

 

「悲しんでいる人たちは幸いである。彼らは慰められるであろう」との御言葉を語られたイエス・キリストの誕生日が来ます。腹を立てる人、攻撃する人、悲しまない人には、クリスマスは関係ないかもしれません。年末に掛けて、忙しく過ごしている方、悲しみや寂しさを覚えている方、どうぞお近くの教会に出向いてください。教皇フランシスコの愛と人格は、キリストの愛を知ったことから生まれています。

 

事務長 柏崎久雄

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