◆マリヤ・クリニックニュース2月号「マリヤ・クリニック養生訓」を追加。pdf
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2017.02.04

マリヤ・クリニックニュース2月号

巻頭言

一年で最も寒い季節ですね。先日、4センチ程の霜柱があたり一面に立っている場所を見つけました。まるで宝石が地面に埋まっているような輝きで、見とれてしまいました。よく見ると既に春の芽がそこかしこに出ています。クリスマスローズは、最近人気の出てきた花ですから、多くの場所で花を咲かせています。色も花弁もいろいろあって鮮やかで、私も新しい品種を買って咲かせるようにしています。椿や山茶花も枯れた木々の中に鮮やかに咲いて、心を喜ばせます。そして、いよいよ梅の季節です。寒空に白梅がすくっと咲く姿は感動です。

 

インフルエンザが流行っていますが、予防接種をしていなかった人が多いようです。一昨年からワクチンには4種類のウィルス株が含まれていて効果は高いようです。病気の予防効果というのは大きく、感染発病した場合の身体のダメージは激しいものですから、医療や福祉の充実していない国や地域では、人々は食事や対策に自ら注意を払う必要があるでしょう。

 

1713年に84歳で貝原益軒が出版した『養生訓』を読みました。草木を植えて大事に育てる人が多くの収穫を得るのと同様に、身体を大事にして努力すれば、多くの楽しみを得ると書かれています。養生法の第一は、身体を損なう物を除去することであり、それは内から生じる欲望と外からくる風・寒・暑・湿の四気の邪気であるとします。心は身体の主人であり、身体はその下僕であるから大いに労働させるべきであり、心気を養うことが養生の第一歩であると言います。心を穏やかにし、怒りと欲とを抑制し、憂いや心配を少なくして、心を苦しめず、気を傷めないことが必要であり、養生の道の根本は我慢することであるとします。養生において肝要な言葉は「畏」という一字であり、畏れることによって、全てに注意し、気儘にせず、過失のないようにし、天道を畏れ敬い、謹んで従い、欲望を我慢することが出来ると説きます。

 

私はガーデニングが好きですが、実際に草木を育ててみると多くの真実がわかります。化学肥料は土が死んでいくし、殺虫殺菌剤は、草木そのものや庭全体を傷めます。腸内環境のように健康に貢献するのは微生物なのです。単に肥料を与え、薬を撒くということでは済まず、丁寧に育てなければ取り返しのつかないダメージを与えます。人間の方は、知恵と知識と欲望があるだけに誤魔化されやすく、即効性のある薬剤を求めて身体に鞭打って成果を得ようとします。薬でも食物でも、少しでも変であると思ったら我慢せず止めて、確かめてみることが必要です。無理をすると、心身を損なって回復が難しいダメージを負ってしまいます。身体に効率を求め、負担を与えるような考え方を修正しなければなりません。一つしかない自分の身体、大事にしてください。健康と幸せを祈ります。

 

事務長 柏崎久雄

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