◆マリヤ・クリニックニュース2月号「栄養医学による治療」を追加。pdf
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2018.02.02

マリヤ・クリニックニュース2月号

巻頭言

一年で最も寒い時期ですが、皆さんはどのように対応していますか。年末年始にメルボルンに行ってきました。世界で最も住みやすい都市は7年連続メルボルンです。確かに治安が良く、市内中心は無料トラムが循環していて便利です。中心部にも広大な公園が多く、数千人がジョギングや散歩をしていますが、広いのでぶつかることはありません。無料の王立植物園は、多様な草花が見事に管理されており、一日ゆっくり過ごせます。食事は日本よりは高いですが、レストランは活気があり、どれも美味しく食べられます。

 

その国の食生活について知るには、まずスーパーマーケットに入ることです。何が安いのか、どのような食事が一般的なのか、特徴的な食品は何か、など調べ、ランチや旅行中の食料として買います。ローマでもメルボルンでも気が付いたことはヨーグルトや腸内環境改善の食品の摂取がかなり多いことです。世界中どこでも健康志向が高くなっていることがわかります。

 

政府が「人生100年時代構想会議」を立ち上げたそうです。現在の平均寿命は男性81歳、女性87歳ですが、現在80歳の人の平均余命は10年だそうです。100歳以上の高齢者は20年前は1万人だったのが、6万7千人になり、2035年には25万6千人になるそうです。100歳以上の人を調べてみると、太り過ぎ、痩せすぎは殆どおらず、糖尿病の人も少ないそうです。がんの罹患率も少なく、タンパク質を大量に摂取し、バランスよく食べているのです。つまり、そのような人が100歳を超える確率は非常に高く、偏食で運動嫌い、太っていたり痩せていたりする人が100歳を超えることは難しいのです。つまり、元気で長生きするためには、偶然や遺伝では無理で、60歳くらいからのきちんとした健康管理が必要なのです。

 

今回は栄養医学についてまとめてみました。テレビでは健康番組が大流行で、取り上げられた食材は数日間は売り切れるようです。ただ、私どもには局所的な栄養療法は心配です。健康というのは、単一の食材で確保できるほど簡単なものではないからです。他方、「発達障害を食事で治そうとするのは間違い。」という断定的な管理栄養士の記事も読みました。根拠を確認せずに、これまでの労苦から全面否定している気持ちも察しますが、どちらも極端です。

 

長生きも、健康も、障害治療も、大事なことは自己管理であり、発達障害などは親の十分な知識と理解に基づいた管理が必要です。むやみに信じるのではなく、信じるに足るものかどうか十分に調べたうえで試してみることは、希望であり、前進です。偶然によって幸せをつかもうとする人が多いように思います。「待ちぼうけ」の歌ではありませんが、待っている時間を努力に費やした方が良いと思います。幸せになってください。

 

事務長 柏崎久雄

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