◆マリヤ・クリニックニュース8月号「ビタミンB群の働きⅡ(『新・栄養医学ガイドブック』より)」を追加。pdf
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2017.08.02

マリヤ・クリニックニュース8月号

巻頭言

政治の混乱が激しいですが、私たちにとっては明治維新の際に命を懸けて国の為に動き回った人々を想います。薩長土肥と言われますが、司馬遼太郎は『この国のかたち』で、それぞれの藩の風土、気質を説明しています。薩摩は、若者同士の郷中制度の中で学問よりも人物を重視し、西郷隆盛の総郷中頭の下に大久保利通・大山巌・東郷平八郎が育ったそうです。長州は、現代の法人のような組織体制を持っていたので奇兵隊という武士でない人々による志願軍が成立したのでした。土佐の場合は、長曾我部の残党が郷士化して山内家の支配に屈しないで拘束のない階級として坂本龍馬や中江兆民が育ち、株式会社のような海援隊が結成されたのでした。ところが、肥前は絶対的な学制で恐怖をもって統率されており、出身の大隈重信はこれを嫌って自由闊達な早稲田大学を創設したそうです。人が育ち生きる環境は大事です。

 

二十歳を過ぎた娘さんが、親の注文が多いのを嫌って家出して学校を辞めてアルバイトで自活しているという話を聞きました。親は、「そんな勝手な子供に育てた覚えはない。」と許さないでいるとのことですが、子供を自分の思い通りに育てようとする風潮は今でも強くあるようです。一つの価値判断以外を認めず服従を強いる慣習が、人のいのちや喜び、そして成長を阻害するのです。

 

有能な人材を輩出し続けているスタンフォード大学の経営大学院では、最先端の知識を教えるよりもむしろ「人を知る」ことに重点を置き、「悔いのない人生を生きるために、チャレンジする」人を生み出しているそうです。

 

長女がカナダで医師として働き、次女三女が世界旅行を一年もすると聞いて、「なんでそんな危険なことを許したのですか。」と驚く人が殆どです。危険はどこにでもありますが、チャレンジしないでは得ることができないことは多いものです。80歳以上の高齢者に「何が人生で悔しかったか。」という問いを出したところ、「やりたいことをやらなかったこと。」との回答が多かったそうです。

 

夏の休暇では、ロンドンで二人の娘と会います。列車に乗り、湖水地方をドライブし、レストランやパブにも連れて行って、親子4人で仲良く過ごしながら、マナーも教えようと思います。私たちは、お金を使い、時間を費やし、労力を掛けて、経験を積み上げ、社会における良き働きに備えていくのです。

 

日本人一人一人が固定的な価値判断や偏見に囚われずに生きていくことが、これからの時代に必要なことであると考えます。できるだけ、タイプの違う人と交流したり、今までと違うことをしたり、計画できないことをするのは如何でしょうか。チャレンジと経験は、どこででもできるものです。あなたの勇気を期待します。

 

事務長 柏崎久雄

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