2025.03.01
◆マリヤ・クリニックニュース3月号
「認知症の症状と対策」を追加。
春の訪れと共に梅の花が咲き、香りが漂ってきます。その上で梅の実も付けるのですから、貴重な樹です。妻が梅干しにして食べています。昔は梅酒にもしましたが、殆ど飲まないので既に十年物があります。花桃やモクレンも寒空に映えますね。ベンチに座って、ポットのお茶を飲みながら、夫婦でゆっくりと花見を味わうことは若い頃にはできなかったことです。入口横の沈丁花も道行く人に香りを提供し、クリスマスローズも種から生え一面に咲いて喜ばせています。
河津桜は、秋の小春日和に狂い咲きをしていましたが、今年は樹勢が弱っています。巨大な山桜三本は、葉の茂る期間が短いのになぜこんなに大きくなるのか不思議です。台風では大枝が折れ、冬にも枯れ枝を落とします。木々の特性と樹勢、自然や病虫害に対応する様子は興味深いものがあります。
人間界のほうは、対応力が弱く、枯れていく企業や個人も多いようです。私は「人間、意地が一番面倒で高く付く。」と言っていますが、大風が吹いたら枝を数本落とし、葉も飛ばされたほうが残っていくものです。人の意見を受け入れたり、頭を下げたりしながら、成長していけば良いものを、頑固になる人が多いようです。
夫婦の間でも、伴侶に一方的な要求ばかりをする人が多いのではないですか。今月も認知症についてまとめていますが、若い頃から会話や交流がなく、心の触れ合いもなく、短時間の確認だけで過ごしている人は認知症になる可能性が高いかもしれないと思いました。
妻が何をし、何を考えているか、夫の興味は何なのか。仕事をしている上での悩み事、楽しいことは何なのか。話すことは一杯あるはずです。特に、男性の会話のつまらなさに閉口します。世間話、自慢話、昔のこと、・・・。今のことを話して感想や意見を聞けないのでしょうか。食事をしたら、その素材や作り方を話題にできませんか。
「要するに何。」「やりたいことは。」、会話が単語で済むようなものであってはいけません。私は「合理的」「リーズナブル」などという言葉が好きではありません。木々も、野菜も、人間も、時間を掛けて、状況や変化に対応して育っていきます。その営みこそが面白く、楽しみです。目的地に早く行くことを優先するような生き方は、節約した時間を後で強引に取り返されるようなことになります。
事務長 柏崎久雄