今月は、発達障害の治療を説明する当院のユーチューブを紹介しました。あるサイトによれば、イチロー、米津玄師、スーザン・ボイル、スティーブ・ジョブズ、アインシュタイン、イーロン・マスクは自閉症スペクトラムであり、興味のある分野を突き詰める能力が非常に優れているとされ、ＡＤＨＤ（注意欠陥多動性障害）は長嶋茂雄、黒柳徹子、さかなクン、ジミー大西、マイケル・フェルプス（競泳）、ウィル・スミス（俳優）、ＬＤ（学習障害）はミッツ・マングローブ、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグとされています。私の周囲にも、発達障害かなと思われる人が多くおります。それらの人々の特異な能力は凄まじく、私には理解不能ですが、共にどこか正常性を欠いているところもあり、日本社会では変人と思われるところもあります。

日本では、調和、配慮、同一性などが求められ、発達障害の人は批判されたり、いじめにあったりしますが、社会を変え、歴史を変えてきたのは、彼らだと私は思っています。発達障害の治療を始めて２０年ほど経ちますが、彼らを知れば知るほど、私などは凡人であり、能力もなく、歴史にも貢献できないと悟ってきました。自然、社会、経済などに問題が鬱積し、将来は危ないと思われるようになってきましたが、案外、発達障害の人々が予想外のことをして解決するかもしれません。

お子さんの発達障害の治療のために小麦を家族全員で食事から除去してみたら、お父さんの長年の咳と喘息が治り、お母さんの腸炎も起こらなくなったという報告を受けました。障害を共有し、不便も受け入れたら、思わぬ道が開けるものです。

私は「黙って俺に付いて来い。」というタイプの嫌な男でしたが、歌を歌い嬉しそうに歩いている妻に合わせて、共に歩く喜びを味わうようになりました。ニワトリを飼い始めて、掃除や給餌に一生懸命働いていると、妻が来て話しかけ歌を歌うと鳥たちが妻の周りに集まります。反省して、私も明るく話しかけながら作業をすると鳥たちも寄ってくるようになりました。ニワトリは、動く物を追いかけ、所かまわず糞をし、チキンヘッド（おバカさん）などと言われますが、最近の研究で賢いことがわかってきました。自分の価値観に固執すると孤立してきます。歳を取って思うことは、お年寄りは、努めて自分の主義主張を譲るほうが愛されるということです。

事務長　柏崎久雄